地球環境の変化、気候の変動と共に猛威を振るう自然災害。多種多様な災害は他人事ではなく誰の身にも起こりうる不可避の現象となっています。
令和元年11月15日(金)、秋田県秋田市において「ビジネス復興事業 in 秋田」が開催されました。この事業は全国に等しく存在する被災リスクの中で、有事の際に素早くビジネスを再開し日々の生活を復興する為、知識や行動力を学びながら新たな事業の発展に繋げようと毎年開催されており、今回は令和元年度日本YEGビジネス活性化委員会を中心に運営されました。
第一部として、3人の講師の方々にご講演いただきました。
・(株)菅原工業 代表取締役専務 菅原 渉 氏 (気仙沼YEG)
・染色工房「インディゴ気仙沼」代表 藤村 さやか 氏 (気仙沼YEG)
・気仙沼信用金庫 復興支援部 執行役員 藤村 栄治 氏
それぞれ東日本大震災を経験した中で、企業として如何に復興してきたか、街の中でどの様に活動してきたか、被災後の街をどのようにしたかったか、など分かりやすい言葉で説明していただきました。被災直後の話から、その後展開してきたビジネス、YEGや個人的に行っている活動の話まで多くのことをお話しいただきました。
震災後に海外展開を果たすまでに会社を立て直した(株)菅原工業 菅原氏は、津波でトラック1台となりながらも3日後からガレキ撤去を開始したと当時を語りました。震災後のゼロからの企業経営を話す中で「出来る出来ないではなく、やるかやらないか」であると、極限の中から這い上がってきた自信とこの地域を未来に残す、という熱い決意を話されました。
震災後から地域に入ったという「インディゴ気仙沼」の藤村氏。被災地域へと入りそこで感じた不便さを働きながら自分で変えていこうと染色事業を開始。享受者ではなく当事者、発信者として取組んだ事例を丁寧に解説していただき、家族や社員の未来のために行動するという強い意志を示されました。
気仙沼信用金庫の藤村氏は、「震災後すぐの金融業務の再開は、それまで培った人と人とのネットワークのお陰。すべては人から始まる。」と被災3日後からの業務再開の要因を解説。「人との繋がりを大切に、チャレンジするための知恵を絞ってほしい。」と会場にエールを送りました。
打合せずとも3人が「人」に関わる話をされ、被災の有無に関わらず参考になる部分が多く、参加者は話に聞き入っていました。
講演後は第二部として各グループでのディスカッションが行われました。代表1名の会社が被災したという想定のもと、企業の再興計画を協議・発表しました。
参加者の中には被災経験の無いメンバーも多くおり、経験者と未経験者の間でなかなか復旧復興のイメージが共有できずに苦戦していました。しかし各人が新しい知識や手法を取り入れようと、考えうる限りの復興策を出し合い、各テーブルとも時間一杯まで議論が交わされました。
最後には、日本YEG 西村 特命理事の謝辞と20㎏の秋田米が贈られ、にこやかな雰囲気で締めくくりとなりました。
当日の模様が秋田魁新報の紙面に掲載されております。
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