深刻な地域課題として人口減少問題に警鐘が鳴らされるなか、松浦YEGが属する長崎県松浦市も例外でなく、かつては炭鉱の町として栄え人口5万人近くを有しておりましたが、現在の人口は2万3千人、2030年には1万5千人を切ること間違いなしといわれている日本創生会議・人口減少問題検討分科会(2014年発表)による消滅都市896自治体にも含まれる過疎の町となっています。
特に人口減少に伴う地場企業の人手不足は深刻であり、少子高齢化はもとより都市部への若者流出の影響が色濃いのではないかと我々は考えました。
そこで松浦YEGでは地域の未来を創造するためには継続的に中長期的ビジョンで取り組む【松浦こども博】を立ち上げ、松浦市の未来を担う子供たちに地域に根差した地元企業のお仕事を体験してもらうことで、郷土愛や将来の夢を育む機会(生きる力を育む教育の場)を創造するとともに、楽しみながら地場産業に対する関心と理解を深めていただく事業を平成28年・29年度企画実行いたしました。
「遊びから学ぶ!」をコンセプトとし、子供たちの興味を引き付ける様々な産業を体験できるアトラクションの設置により、「子どもと地域社会」・「子どもとものづくり」・「子どもとテクノロジー」などを親子が一緒に学び・体験・体感することにより家族の絆をより一層深め、「住みたい・住み続けたいまち松浦市」となることを目的とした事業を継続的に展開していくこととしております。
初年度の平成28年度には1500名、平成29年度には2000名の来場者にお越しいただき、地域住民の皆様、行政や会議所関係の方々からも好評を得、参加協力企業・団体、協賛企業・団体も回を増すごとに増加しているところです。
本事業の効果は10年後、20年後に現れるものと理解しておりますが、子どもたちにたくさんの学び・体験を通し将来の夢を育むきっかけや地元企業に対する理解を深めてもらい、まずは企業の名前を覚えてもらうこと、関心を持つことにより、将来は地元企業が就職先の選択肢の一つとなり、更に定住を促進することで企業の人手不足と人口減少に歯止めがかかる効果が表れるものと考えております。
それに加え参加企業同士での企業間連携や、産学官連携が進み、地域が一体となって子どもたちを育てていくことで、地域コミュニティがより一層広がる深まることに繋がると考えます。
出展企業アンケートでは、「地域貢献が目に見えてわかる良い事業だった!」・「また来年も参加したい!」など前向きな意見が寄せられましたし、ご家族連れの参加者からは「大人も子供も学んで遊べた!」・「来年はいつ?これからも続けてほしい!」などの意見をいただきました。また狙ったわけではありませんが、このような事業を展開している団体ならば...と会員に入会いただくこと繋がり会員増強にも一役かっております。
本事業を継続実施していくことは、故郷の企業を積極的にPRして地元雇用に繋げることの後押しとなり、地元企業の新たな魅力発信・発見の場となります。また、地場産業として地域に根差してきた企業が自信を取り戻す場となることが期待できると感じております。
今後は松浦市などの行政が行う事業や地方創生会議との連携、松浦商工会議所などが行う中高生向けの企業説明会などとの連携も積極的に行い、地域を挙げて幼児・小学生・中高生と段階を追った学びと体験の場を提供できるよう発展していきたいと思います。
全国413単会の中でも最小規模に近いたった19名の松浦YEGが挑む地方創生!