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平成25年度日本YEG提言

平成26年2月22日

日本商工会議所
会頭 三村 明夫 様

日本商工会議所青年部
会長 阿部 賀寿男

今、日本は、東日本大震災・福島第一原子力発電所の影響による問題を抱えている。それはそれぞれが自助努力で解決できる範疇を超えた問題であり、被災地域が厳しい状況にあることを余儀なくされている。そのような中、アベノミクスにより大企業を中心に明るい兆しが見え始めているが、中小・小規模企業からは、景気回復の実感が得られていないとの声が聞かれる等、景況感は「まだら模様」の状況にある。そして、中小・小規模企業の発展の基盤となるべき地域経済は、少子高齢化、シャッター通りと化した中心市街地の衰退等に苦しみ、依然として再生への糸口すらつかめていない。
 日本YEGが全国の青年部を対象に実施したアンケート調査においても、こうした地域や中小企業が直面する課題を踏まえ、中小・小規模企業への支援、更なる事業承継の円滑化策、観光振興、まちづくり・中心市街地活性化の推進、人口減少・少子高齢化対策などを求める声が多数寄せられた。
 日本YEGでは、それぞれの地域で地域・中小企業の活性化に自ら実践しているYEGの同志から寄せられた「生の声」を踏まえ、共に輝ける未来の創造・原発事故の早期収束に向けて、下記のとおり提言する。

1.地域再生・観光振興の促進について

(地域再生)

  • ○ 中心市街地での空き地・空き店舗などの譲渡や賃貸を促す税制措置・補助制度の拡充。
  • ○ 中心市街地で創業を希望する者への支援策(行政による家賃補助、空き店舗情報の提供等)の拡充。
  • ○ 中心市街地への居住を促す住環境の改善や交通網の整備に向けた補助制度等支援策の拡充。
  • ○ 観光振興、企業誘致と一体となったまちづくり(宿泊・商業施設・レジャー施設の充実、コンパクトなまちづくりの実現等)の促進。

(観光振興)

  • ○ 近隣市町村が連動した広域観光振興の促進。
  • ○ 海外からの観光客増加に向け、官民連携による日本の文化の紹介、日本ブランドの発信力強化。
  • ○ 無線LAN(Wi-Fi 等)の設置促進(インターネットでのルール・マナー啓発も合わせて必要)。
  • ○ アグリツーリズム(農村・農場への旅行、滞在型の余暇活動)の促進。

2.中小・小規模企業の活力強化について

  • ○ 国や地方自治体が行っている各種助成金や融資制度、専門家派遣制度の有効活用支援。
  • ○ 創業支援策の拡充(若者に焦点を当てた創業支援の拡充、個人事業主における個人保証に依存しない融資の促進、開業資金の補助制度の拡充等)。
  • ○ 中小企業の新規事業への取り組み支援策の拡充(外国語への対応、輸出入手続きのサポート、インターネット・メディア活用等における専門家による伴走支援等)。
  • ○ 異業種または同業種同士のコラボレートによる商品・サービス開発支援(販路開拓や広報・PR等への支援)。
  • ○ 中小・小規模企業が参加しやすく、ミスマッチが起こりにくい就職斡旋支援の推進(年齢制限を設けない中途採用を対象にした就職説明会、業種を絞った小規模な就職セミナーの定期的な開催等)。
  • ○ 技能伝承への支援の拡充(「人間でないとできない技能」の承継のための教育プログラム支援等)。
  • ○ 職人への興味を高める学校教育の導入促進。
  • ○ 事業継承税制の抜本的な見直し(取引相場のない株式の評価方法の見直し等)。
  • ○ 償却資産に係る固定資産税の廃止。

3.少子・高齢化対策の促進について

  • ○ 複数世帯の同居により、家事・育児・介護などを助け合う安定・安心な社会環境を実現。わが国が直面する晩婚化・非婚化・少子化の流れを食い止めることに資する他、介護等に係る国費の軽減に繋がることから、国として、複数世帯の同居を推奨・優遇する施策の導入を図るべき。
  • ○ 少子高齢化対策は地域の特性に目を向け、国と自治体が協力して行うべき。
  • ○ 子育て負担の軽減(低廉な価格で利用できる託児所の設置促進、高等教育までの教育費無料化等)。

4.東日本大震災からの復興について

  • ○ 原発事故の早期収束。
  • ○ 風評被害からの人口流出・企業流出対策。
  • ○ これまでの枠を超えた支援の実施(復興の加速と希望を)。

以上



桃太郎一派
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