鳥取商工会議所青年部は令和5年10月9日(月)に、第2回高校生ビジネスプランコンテストを開催いたしました。
本事業は鳥取市の公立・私立高校を対象に、鳥取YEG会員が所属する実際の企業と連携を行い、地元企業の課題に向き合いながらビジネスプランを考えるという企画になります。
鳥取市内10校の中、5校のエントリー(全9チーム)があり、ヒアリングを行い各チームを現役会員の企業とマッチングいたしました。
本事業のテーマを、「CIVIC PRIDE」~【鳥取愛】を胸に地元企業の更なる飛躍に貢献しよう~と題し、ただ単に企業の課題をクリアするビジネスプランを考えるだけではなく、高校生に鳥取の魅力・強みを同時に考えてもらうことで、彼らに【鳥取愛】を芽生えさせたいと考えました。
一般的にビジネスプランコンテストは、ある同じお題に対して様々な手法のビジネスプランを確立することが多いですが、鳥取YEGは独自性を出すために、実際の企業を各チームに用意し、お題もその企業でバラバラであります。運営側の労力は非常に大きいですが、架空の企業ではなく実際に存在し、また実際に企業が直面している課題に向き合うことは、双方の刺激になると考え、このようなビジネスプランコンテストを開催しました。
下記が実際に行ったビジネスプランコンテストの内容となります。
①㈱アクシス×青翔開智高等学校 チームNA
■会社概要
システム開発からアウトソーシングまでワンストップで企業の経営変革を支援。
プラットフォームサービスの開発・運用を通し、エネルギーやネットワークインフラに関わる地域固有の社会課題解決をITで推進する。
■経営課題
超地域密着型プラットフォーム「Bird」の認知度、稼働率に課題を抱えている。
そのため、枠組みにとらわれない自由な発想でFY24の8月にBirdの利用回数を月間で1,700回を達成させるための新規事業を策定していただきたい。
②㈱ぎしき(結婚式場ヴェルージュ)×鳥取東高等学校 チームTMACK
■会社概要
結婚式場の運営を中心に、ランチ・パーティー・ビュッフェ等も営業。
■経営課題
近年、若い世代が結婚式を行うことが減少している。
さらにコロナ禍でその傾向は増加し、現在では約6割近い新婚カップルが結婚式を見送っている現状がある。そんな中、少しでも若い世代の方に式場の雰囲気を知っていただくため、ランチ営業等を行っているが、利用者の多くはターゲット層と離れている。
③㈱魚倉×鳥取工業高等学校 チームShift
■会社概要
水産物卸売、小売西は境港、東は賀露、網代の港に行きセリにて買付を行った後、倉吉にて中継し東部から西部までの配達。
■経営課題
全国にリーチできる手法としてネットに着目。其の中でもYouTube動画を使った発信で、読者や再生回数を増やすことで認知獲得につながると考えている。動画本数も増えているが思うように再生回数が伸びておらず悩んでいる。若い方の目線や斬新なアイデアをいただき、突碳口を見つけたい。
④日本海テレビジョン放送㈱×鳥取工業高等学校 チーム鳥工mad
■会社概要
日本海テレビは、山陰でいち早く開局したテレビ局で、日本テレビ系列の放送局として山陰エリアの情報発信を担っています。放送はもちろん、イベントやアプリ、新規ビジネスを通じて、山陰を元気にするコンテンツを発信し続けています。
■経営課題
若い世代のテレビを見る環境の変化によってテレビ離れが起きている。
どんな企画や番組をしたら若者がテレビに興味を持って視てくれるのか。
⑤㈱吉備総合電設×鳥取城北高等学校 チームA
■経営課題
電気設備工事、電気通信設備工事、消防設備工事・保守点検、防災商品販売 など
■経営課題
堅い企業イメージから脱却し、働く女性にとって魅力的な取り組みを実践することで、女性の入社希望を増やす。
⑥㈲西川商会×鳥取商業高等学校 チームビジネス経済研究同好会
■会社概要
廃車、中古車、重機、農機具等の買取りを始め、自社工場で適正にリサイクルし、使用可能な部品は国内外へ中古部品販売、残ったガラは素材として出荷販売しています。事故車等のレッカーサービス、法人向けレンタカー事業、中古車販売事業、中古家具輸出事業、アップサイクル事業も行っています。
■経営課題
自動車のリサイクル率は99%を達成しているが、「自動車リサイクル」という言葉はあまり世の中に浸透していない。
身近なクルマのリサイクルについて一般の人にも認知してもらう事で廃車の入庫増加に繋がるので、地元の活性化、社会貢献の意味も含めてアップサイクル事業を行うことで、「自動車リサイクル」と適正に自動車リサイクルを行う会社「西川商会」として認知度を向上させたい。
⑦㈱エムアンドエムドットコー×鳥取城北高等学校チームB
■会社概要
エムアンドエムドットコーは広告・映像・WEB制作・イベント企画運営などの様々な企画提案、クリエイティブを通じ地域や企業の課題解決、そしてムーブメントの創造を目指す、鳥取県内唯一の「クリエイティブエンターティメント集団」です。
■経営課題
より若い人たちの意見を取り入れたイベントを新たに企画し、駅前を知ってもらう機会を作りたい。風紋広場を市としても県としても活用してほしい。
⑧㈱懸樋工務店×青翔開智高等学校 チーム中澤チルドレン
■会社概要
当社は建物の設計施工だけではなく、”鳥取の地と、そこに住む人、働く人の生活を彩るため”をモットーにさまざまな事業を展開しています。
■経営課題
当社のユニフォーム事業について既存のお客さまからご依頼を頂くことが多く、新規のお客さまからの問合せが少ない。現状、新規のお客さまに向けた販促活動が行えていないことが課題。また、当社は職場環境改善のひとつの手段としてユニフォーム事業を捉えており、そこを訴求できるように、若い方の新しい感覚でアイデアを頂きたいと思っている。
⑨㈲鳥取珈琲館×鳥取商業高等学校 チーム産文が丘48
■会社概要
コーヒー豆の輸入、コーヒー製造業、卸売、小売り、飲食業。有機JAS認証と国際フェアトレード認証取得。安心安全なオーガニックコーヒーの提供と発展途上国のコーヒー農園で従事する方の労働条件と生活状況の改善、世界の環境保全の促進のためフェアトレードに力を入れ、売上の一部を機関に付与する取り組みを行う。
■経営課題
弊社のビジョン、サステナブル=(有)鳥取珈琲館と認識される会社像に向かって訴求していく取り組みに対する課題
どのチームも甲乙つけがたい素晴らしいプレゼンを行った中、優勝は④鳥取工業高等学校チーム鳥工madでした。
若者のテレビ離れという難しい課題に対し、本来は外から観るテレビを、自分たちで番組を運営・製作し、テレビでは見れない中の部分を高校生が体験することで、興味を持とうという逆転の発想は、素晴らしいプレゼンでありました。
街や商工業の発展には、若者たちのパワーが必要不可欠であります。持続可能で心豊かな未来に進むため、我々はこの事業を継続して行いたいと考えます。
将来、高校生たちが逆の立場となり、この事業を運営する夢を見ながら、我々はまた来年度に向け準備をしっかりと進めていきたいと思います。
主催
鳥取商工会議所青年部
開催日時
令和5年10月9日
開催場所
鳥取市とりぎん文化会館小ホール