麒麟獅子紙芝居プロジェクト紙芝居贈呈式(鳥取YEG)

令和元年度10月22日、2年度2月25日「麒麟獅子の紙芝居プロジェクト」紙芝居贈呈式を行いました。鳥取県東部の保育園、図書館など2年間を通じて75施設に贈呈いたしました。

開催日時

令和元年度10月22日令和2年度2月25日

開催場所

鳥取市立賀露保育園鳥取市立中央図書館

開催目的・内容

◆はじめに
鳥取県東部に古くから伝わる神事、麒麟獅子(きりんじし)って知っていますか?そもそも「日本遺産登録」されたこと自体、知らない方も多いのではないでしょうか?因幡地方・但馬地方で 無病息災のシンボルとして 受け継がれている「麒麟獅子」地域の伝統文化でもある麒麟獅子を用いた活動を鳥取YEGでは行っています。その一つとして「麒麟獅子の紙芝居プロジェクト」を立ち上げ、紙芝居を制作し、保育園や図書館などに寄贈を行いました。

◆麒麟獅子舞とは?
1650年に鳥取東照宮を建立した折に始まった麒麟獅子舞は、今でも伝統芸能として各地で見ることができます。因幡但馬に伝わる麒麟獅子舞は、初代鳥取藩主池田光仲が、天下泰平を築いた江戸幕府の将軍にして曽祖父の徳川家康公の威光と、その仁愛と平和の精神をここ因幡但馬に根付かせようと、日光東照宮の分院鳥取東照宮を建立した際にその祭事として創生したものです。麒麟獅子舞は、地域に古くから伝承されてきた神事的な民俗芸能です。

◆伝統の継承
皆さんの地域でも伝統文化を守るためどんな活動をしていますか?私たち鳥取YEGは、伝統を守る、継承するために一つの大切なことに着目しました。それは、「知ること」です。その文化にどのような歴史があり、意味があり、どのように現代に受け継がれ、変遷していったかを知ることです。地域の伝統工芸でも、伝統踊りでも、日舞でも、武道でも、・・・それを知り、習うことによって、理解が深まります。その地域で生活しているものすべてが、文化を守る継承者でもあるのです。伝統とは「一度失われてしまえば二度と生み出すことはできないもの」です。伝統の価値観は、私たちの「根」です。根を学ぶことは先祖からの智慧を学び、生き方を伝承し、子孫へと精神を継承していくことに繋がるはずです。

◆麒麟獅子を知る。
そして、継承へ伝える方法はさまざま。動画やCM、ネット広告などいろいろな方法があるでしょう。しかし一過性のものでは意味がない。老若男女問わず「分かりやすいこと」「伝えやすいこと」いろいろ協議を重ねた結果、「子どもたち」にターゲットを絞る事にしました。地域の宝でもあり、未来の担い手でもある子供たちに「届けよう」そして、麒麟獅子を今までにない新たな魅せ方で発信しよう!そう考えたところ「紙芝居」という手法を使うのが良いのでは? という結論に至りました。紙芝居というツールを使うコトで、より身近に、子ども達にも分かりやすく伝える事ができると思ったのです。言いたいことを伝えるのではなく、興味関心をまずは持ってもらうことが大事!そうと考えると「紙芝居」はぴったりでした。
【本事業の3つの狙い】
①幼児期から地域文化に振れて、知ってほしい。
②子どもを通じ、子育て世代にも地域の魅力を体感してほしい。
③地域愛をはぐくむことで、人口流出を抑制させたい。
貴重な文化財を次代に残すという活動は大変な苦労を伴います。継承活動を通して地域に誇りと愛着をもたらし、地域共同体に果たす役割も大きいと考えています。だからこそやる価値があるのです。そして、より分かりやすく伝播するために本作家と共同で製作開始しました。

◆出会い
そんな中、一人の作家さんに着目しました。奥村雅子(おくむらのりこ)さんという作家さんです。彼女との出会いにより、紙芝居プロジェクトはどんどん加速していきました。青谷町出身の作家さんで、現在は東京都内在住。因習和紙に絵をかいて作品展を行ったり、ギャラリーそらなど鳥取市内でも活動されている方です。力を借りることで、良い作品になると思いアプローチを行い、ご協力いただくことができました。

◆最後に
時代がどのように変化しても「人と人とのつながり」や「世代間交流」の大切さが失
われることは決してないはずです。この誇るべき地域に住む方々が日本の貴重な文化財の継承のために、これからも力を尽くして頂ければと願います。幼児期に地域の特色ある文化(日本遺産、麒麟獅子)に触れ合うことで「郷土愛」をはぐくみ、地域活動や社会貢献のできる人材が今後増えてくることを願っております。

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