新しい世紀への期待虚しく、相変わらず混迷と閉塞を続けるわが国の状況は、あたかもエゴという煤煙が立ち込め、未来への出口が見えないトンネルの中のようです。濁った空気を吸いすぎて酸欠状態になった企業そして日本人は、活力を失っています。
「効率」ばかりを追求し、「自分さえよければ」「自分だけ儲かれば」の論理で動く「誰も責任をとらない」組織が生み出した、ありとあらゆる不祥事が噴出している今、我々商売人には「理念」が求められています。
自店、自企業の原点は何か。我が店は、我が社は、何のためにこの商売をしているのか。何を以って世の中の役に立とうとしているのか。自社の存在の意味・価値を自分の言葉できちんと語れることが大切です。
冷静かつ、慎重な顧客を前にして、自分の店、会社はどう顧客の役に立てるのかを問われています。その答えを自分の言葉で明快に語れないということは、結局「自分の店、会社の強み」が分っていない、「自社、自店は何を以ってして顧客のために役に立てるのか、社会に貢献しようとしているのか」を持っていないということになりはしないでしょうか?
自分の商売の本質的な役割は何か、もう一度自分の商売を定義し直してみることが必要ではないでしょうか?
商売上の様々な意思決定の場面で必ず諮るべき「物差し」、つまり、自社の行動規範としての理念をそれぞれの企業が今一度確認すべき時だと考えます。
この時代の大転換期に、「変わらなければ」とよく言われます。変わるとは何か? ただ闇雲に過去を否定し、古いものを捨て去るということではないはずです。 それは「視点を変える、視野を広げる、新しい行動パターンに挑戦する」ことだと考えます。異なる視点で、より広い視野からものを見れば、今まで見えていなかったものが見えてくる。新しい行動パターンをとる、つまり、既成概念に囚われず、やり方を工夫すれば、思いきってチャレンジしてみれば、今まで出来なかったことが出来るようになる。
YEGはそんな学びと気づきの場でありたいと思います。
時代の本質を察知し、その時代の要請を一旦素直に受け入れる。だが、鵜呑みにはしない。演出のための演出にはごまかされない。本質は何かを見極める目を養い、自分で考え判断する。そして昇華させ、新しい文化を創る。まさに温故知新。日本人が大切にしてきた知恵です。
守るべきものは頑固に守る。変えるべきものは勇気をもって変える。
そんな気骨ある仲間が創るYEGでありたいと思います。
情報を求め、友を求め、また、心の支えを求めて集まった全国3万人の素晴らしい仲間とともに、自由闊達に語り、真剣に学び、笑顔で行動し、YEGとしての基盤である自分の商売の生成発展を実現しようではありませんか。
そして、そこで忘れてならないことは、「それは、同時にあなたの隣のYEGの仲間にとっても同じように重要なことだ」ということです。「自分だけよければ」ではなく、「自分も相手も」です。
YEGとはそんな暖かい仲間の集まりでありたいと思います。
元気な会社、明るい店の集まりが、活気ある地域を創り、そして世界のリーダーたるべき国、日本を創るのです。自らの個性を大切にし、自らに誇りを持って初めて、国際社会の中で尊敬される日本になれるのだと思います。
日本商工会議所の青年部としての自覚を持ち、「健康な日本」の創造の一翼を担い、気品と思いやりの溢れる美しい日本を共に創って参りましょう。
夢のない時代だと言われます。私たちの次世代に夢を持たせるのは私たちの責任であります。夢を捨てず、あきらめず、一歩一歩。 「自分から、自分らしく、皆のために…。」
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