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ご祝辞・ごあいさつ

日本商工会議所 会頭

岡 村  正

「個が光るイノベーション」

ご祝辞

日本商工会議所
会 頭:岡 村  正

日本商工会議所青年部の設立30周年を心からお祝い申しあげます。

次代の地域経済社会の担い手である商工会議所青年部の皆様方は、青年経済人としての資質の向上と相互交流を通じて、自らの企業はもとより、地域経済の健全な発展ならびに豊かな地域社会の構築に努め、商工会議所活動の活性化に大きな役割を担ってこられました。とりわけ、全国組織である日本商工会議所青年部は、地域の枠を超えた青年部相互の連携事業に積極的に取り組み、各方面から高い評価を得ています。これもひとえに、歴代会長をはじめ、役員ならびに全国の青年部メンバーの皆様方の永きにわたるご努力の賜物であり、敬意を表します。

この30年間は、わが国経済社会を取り巻く環境が大きく変化した激動の時代でありました。この間、商工会議所青年部も、時代とともに大きく変化いたしました。このたび、設立30周年を機に記念誌を取りまとめることは、全国の青年部会員2万8千人が、次の時代に向けた商工会議所青年部のあり方を考えるうえで、大変意義深いことであると思います。

いま、わが国経済は、政府の経済対策等により、景気の先行きに明るさが広がりつつありますが、依然として中小企業・地域経済は厳しい状況におかれております。日本経済の原動力である中小企業の成長を強力に後押しする観点から、今こそ積極的な「攻め」の中小企業政策へと転換し、創業、海外展開、成長分野への進出等を推進することで、停滞した日本経済を再生する必要があります。そして、依然として遅れている東日本大震災からの復興と福島の再生は、もはや一刻の猶予もありません。被災地中小企業の販路拡大や地域資源を活用した新商品開発支援といった具体的な対策に取り組むとともに、特に福島再生には、徹底した除染・風評被害対策や雇用対策等に最大限の措置を講じ、震災復興と福島再生を加速していくことが極めて重要であります。

このような状況において、山積する課題を乗り越え、日本経済再生の原動力となるのは、柔軟な発想力とエネルギッシュな行動力を持つ、青年部の皆様であると期待しております。私は、会頭就任時に「個が光るイノベーション」をスローガンに掲げました。青年部メンバー一人ひとりが光り輝き、イノベーションに果敢に挑戦されることで、今後の地域経済、そして日本経済を再生していく起爆剤となるものと確信しております。

結びに、この記念すべき30周年の節目を契機として、青年部の皆様が持前の強力なネットワークを活用し、会員相互の連携を一層強めるとともに、従来にも増して活発な事業活動を展開することを、心から期待しております。