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日本商工会議所の山口信夫会頭と商青連の小園浩幸会長との対談


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小園 昨年は鳥取県米子で開催しました全国大会にご参加いただきましてありがとうございました。今年は北海道帯広です。皆さん心待ちにしておりますので、今年もぜひご参加お願いします。
山口  全国から集まるチャンスですからね。ところで商青連の皆さんにはいろんな小委員会に参加していただいていますね。
小園  非常にいい勉強をさせていただくと共に私どもの活動報告の機会をいただき、ありがたく思っております。
  商工会議所とYEG(青年部)がもっと協力し合うような関係が作れたらと願っていますので、各地の商工会議所や日商には、もっと青年部を活用していただきたいです。15年度は事業や活動の種蒔きの年でいろんな仕込みをしながら考えて活動しました。
16年度はその蒔いた種を育てる年です。
鈴木  16年度の委員さんが一生懸命やって下さっているので、私としては大変幸せだなと思っています。去年は初めてビジネスプランコンテストをしました。コンテストすること自体が目的ではなくて、そこへ向けて全員がもう一度ビジネスの勉強をしようということで、それが※『第二創業塾』とうまくつながって流れが出来始めてきましたね。
  ※【第二創業塾】・・・新事業にチャレンジしたい二代目経営者や若手後継者、新事業を展開したい経営者を対象に、経営戦略、組織マネジメントなどの知識・ノウハウの体得を支援するため、各地商工会議所と日本商工会議所が開催する講座。
山口  『第二創業塾』というのは考え方が本当に良かったですよ。名前もいいですね。
人材やブランドを活かしながら、これまでの事業を土台に新しい方向性を打ち出す第二創業のほうが、新規創業よりもやりやすいですから。
篠原 『第二創業塾』の種を蒔いたのは、昨年、ビジネスプラン作成の研修会を実施した商青連の皆さです。政府予算もいただいて本格的にやっていこうということで、日商としても各地商工会議所ともども事業を育てていきたいと思っています。
山口  何でも計画するまでは出来ますが、予算をつけて実行し、形にするにはエネルギーが要りますよ。最後は馬力です。
小園  この事業は今年も引き継いで行きます。この6月にスタートしました『ヤングリーダー研修会』を第二創業塾として予算を使わせていただきます。
坪井  この研修会は商工会議所の皆様と中小企業庁にバックアップをいただき昨年スタート出来ました。我々青年部と言いながら、そこそこの年齢ですので、中には息子さんやお嬢さんが家業に加わっているメンバーもいます。
  また東京の大学にはビジネスプランを考えるサークルもあります。今年は対象の範囲を広げて、そういう人たちにも門戸を開くことを考えています。賞金にこだわらずに、勉強と思って出していただけるような環境を作ろうと思っています。
小園  ビジネスプランコンテストをイベントの延長線で終わらせないためにも、研修委員会では、グランプリを選ぶだけでなく、ご応募いただいたすべての人たちに対して、計画を成功に導くには、どのようにすればさらに良くなるか、細かい点までフォローアップできるような体制を作ろうとしています。そうすることで次に本当に計画性のあるきちっとした事業が出てくるのではないかと思っています。
山口  創業してすぐ成功するということは少ないから時間はかかるでしょうね。けれども、我々の経験からすれば、苦労した事業ほど立ち上がってからは強いですよ。先行するのは大変なことだから、それを助けてあげないと。
  創業時だけではなく成功するまでの間の手助けが必要ですね。
竹川  青年部会員の事業を支援する事業としては、「ご縁満開YEGビジネスサイト」もあります。これはインターネット上で全国の会員を対象にビジネスの交流を図ろうという去年からの継続事業です。今全国で700社程の登録をすでにいただきまして、サイトのアクセス数もだいたい1か月に1万件あります。全国に3万人弱の会員がおりますので、今年はもっともっと活性化をしていきたいと思っています。
  すでに結果も出ておりまして、いろいろビジネスでマッチングに成功した事例もございます。私自身もサイトで自分のお客さんになろうかというところを検索して実際にアプローチをかけて、5,6件程お客様をゲットしました。(笑)
鈴木  例えば、自分はこんな工場があって、こんな機械を持っているんだけど、何か商品のアイディアくれないかとかですね、自分はまだ東北地方に代理店がないので、誰かやってくれないかとか。「ビジネス出会い系」と言っています。
竹川  ビジネスに直接関係のあるなしに関わらず悩み事や相談事の書き込みなど出来るようになっているんですけども、そういう 一つの書き込みに対してですね、1千件近いそれに対する意見が来たりしています。
坪井  青年部のメンバーだけのサイトなので、安心感がありますよね。近くの同業者は、ライバルになりますけども、遠くの同業者というのは、非常にいろいろご指導いただけたり、そういう間柄にもなります。
小園  自分の本業をしっかりやっているから、地域の活動も出来る。青年部の独自の強いネットワークを使うことによって、自分のビジネスに対しての磨きがかかっていくと思います。
山口  今、製造業立地の空洞化や商店街のシャッター通り化が非常に大きな問題になっています。海外での製造業立地は、ピークは過ぎましたね。加工などは、人件費の安い海外へ持って行くけれども、大事なものは日本で、技術をクローズにして、国内で中小企業と共同してやっていくという方向になっています。
 問題は、商店街のシャッター通り化、大型店との関係ですね。今は自由競争そのものでしょ。地方では、農地を潰して駐車場にし、そこに大型店舗が次々とでき、大型店舗同士の競争が始まっています。一方、商店街では若者がお父さんの後を継がないで、サラリーマンになってしまいます。シャッター通り化した商店街は元に戻らなくなります。
  大型店には企業としての社会的責任を意識してもらい、街の商店街とお互い棲み分け、共存を図ってもらわないといけません。その街の歴史、伝統、文化を若者が引き継いで守っていくことは非常に大事です。東京の世田谷区では大型店やチェーン店なども商店街に協力しなければいけないという条例を作りました。罰則がないので話し合いで進めるのですが一歩前進です。時間がかかりますがね。
篠原  今年から、会頭を先頭にこうした問題にこれまで以上に力を入れて取り組みます。青年部の皆さんにお願いしたいのは、商業関係の方は、中心市街地に住まいも構えていただきたい、ということです。
山口  自分たちの町をもう一回きれいにして、お祭りもして、親子で手をつないで、緑の町を歩きながら、商店街を回って歩けるようにするのが願いです。そのためには、親父が死んだら相続税を払うために店が継続できなくなるというのでは困るので、事業承継税制を変えないといけないですね。いろいろやることは、たくさんありますよ。商工会議所のエネルギーあふれる若者が、力を合わせて主張しないと。
小園 『YEG大賞』という各単会の事業のコンテストがあるのですが、応募作品に、チャレンジショップや空き店舗を利用して地域活性化を目指したものがかなり増えてきています。NPOや組合方式など、いろいろな形で立ち上げるのですが、そのサポートも出来なくてはならないということで、昨年暮れに商青連全国コミュニティビジネス協議会という別組織を立ち上げました。
梶谷  経験を積んでいる人とこれから立ち上げようとする人との出会いの場を作り、経験談や具体的なアドバイスが得られるように考えています。いかにいろんな団体とネットワークを組み、試行錯誤していくかが、今後地域活性化には重要になってくると思います。
 今までは、どちらかというと、大店舗との絡みも、商売上の話し合いでしたが、これからはまさに地域をどうするんだという視点から行う必要があります。しかも、地域づくりはボランティアでは長続きしないので、商売としてやれるような仕組みを、いろいろな人の協力も得ながら作っていきたいです。
 特に今後、高齢化が進みますと、リタイアしている人でも、働ける人はたくさんいますから、そういう人も巻き込みながらビジネス化をやっていくようなことを考えています。いろいろな補助金の情報なども発信して活性化していけたらと思っています。
山口  地域の課題を解決するには会議所の組織を強くしなければいけません。青年部も同じです。自分の事業をしっかり行った上で、そういうことも出来る力を持った人がたくさん入ってくれるといいですね。
小園  私たち商青連という全国にネットワークを持つグループを、商工会議所でも使っていただきたい。そして、まだ青年部が設置されていない商工会議所には「これからの時代、青年部がない商工会議所はもうやっていけないですよ」というぐらいの気持ちで、どうか設置の働きかけをお願い致します。
鈴木  商青連の加入に関してですが、着実に各地の会議所にはご協力いただいています。去年も新規の加入は5つありました。
山口  青年部出身の商工会議所の幹部、国会議員や県会議員もおられます。青年部はさまざまな経験を積める場だから、先代の元気なうちに経験を積んで、出来るだけいい方向で組織が強くなっていって欲しいですね。
全員  本日は本当にありがとうございました。
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