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前回の記事「危機感の共有と情報の共有」では、意識の共有とエンジェルタッチを活用した知識の共有方法をご紹介しました。実はこの手法ですが、営業活動にも応用できるものです。ABM(Account Based Marketing)といって、以下のような手法です。

「ターゲット企業(アカウント)を定義し、戦略的にアプローチするためのフレームワークまたは手法」
さまざまなコンタクトポイントで収集された顧客データを統合管理し、アカウント(企業)単位で戦略的に攻略する考え方。社内の複数部門が連携することでターゲット企業(アカウント)が抱える問題点や潜在的なニーズに対して最適なソリューションを多次元かつ波状的に提案して攻略するマーケティング&セールスの手法。

http://marketing-campus.jp/lecture/noyan/088.htmlより引用

例えば、ナーチャリング(何とか興味をもってもらうようよう情報を提供したりして、知ってもらっているもしくは興味をもってもらうようにすること)されてないされていない代表電話に電話することをコールドコールといいます。営業活動においてコールドコールは効果がないとは言いませんが、効率的ではありません。そこでスコアリング(顧客の状態を数字で表現したもの。数字が高いほど顧客との関係性が高い。例えば商談で5ポイント、見積もり依頼で30ポイント、受注で50ポイントなどを振っておく。何ポイント以上や以下でHOTやCOLDなどに分ける)とコンタクトポイント(誰かの知り合いとかの会員からの情報)で収集された顧客データを統合管理している状態が、前回のエクセルの表になっています。

ABMを始めようというと敷居が高く感じますが、会員拡大の手法を応用して営業活動に活かすとなると少し分かりやすくなるのではないでしょうか。YEG活動が営業活動に応用できる事例ですね。

さて、今までご紹介したのはどちらかというと営業活動の手法についてでした。今回は商品そのものYEGの日々の事業活動についてです。そして今回書く内容は、読んだ方によっては気分が悪くなったり、誇りを傷つけられたとお怒りになる方もおられるかもしれません。しかし会員増加のためには避けては通れない課題です。ぜひ一度ご検討いただけないでしょうか。

事業の引き算から始める。その事業本当に必要ですか?

YEGの活動で、こんな事業はありませんか?

市から予算がつくからやっている
毎年やっているからやっている

YEG活動は足し算になりがちになります。ここまで発展したら大きくしよう。去年の数は少なかったから募集の数を倍にしよう。これが足し算です。

実は会員数は、その市の事業所数ではなく、YEGの活動内容の質が高いものを多くしているかどうかが関係しています。特に募集数が少なく、社会的に求められていない継続事業や、会員の満足度と重要度が高くない事業が多いと会員数は減少傾向になります。

そこで事業の引き算が必要になってきます。会員の満足度と重要度が高くない事業を引く(やめる)ことをしなくてはなりません。

しかし継続している事業をやめることはとても勇気が必要です。特に会長は自分の年度で継続事業を中止することを良しと思う人は少ないのではないでしょうか。

そこで重要なのが会員からの声です。会員からの声を聞くのに役に立つのは満足度調査です。実施している事業の満足度と重要度の調査を実施すると予想外の結果がでることがあります。またどの事業が満足度と重要度が高いかわかるためYEGの活動に期待されていることも分かります。

参考までに関YEGでのアンケート結果は、会員が期待する事業は、経営やビジネスに役立つ勉強、人脈作りでした。逆にあまり期待していないのは祭りなどのイベント例会でした。関YEGでは、事業の配分を自分たちの事業所の稼ぐ力を学ぶ、学んだ稼ぐ力を地域に活かす事業を多くしました。事業の多様性も魅力ですので、極端な変更を行わず比率の変更などで対応しました。

参考までにYEGパブリックコメントで得た回答をもとに、日本YEGのITサービスについての満足度と重要度の表を作成しました。このような表をつくると事業のポジショニングが一目で分かるようになります。

このグラフは、満足度を縦軸、重要度を横軸にして偏差値を表としています。右上のゾーンは満足度と重要度がともに高く今後も継続が期待されます。右下のゾーンは、重要度は高いけど満足度が低い状態です。事業の改善が望まれます。左上のゾーンは満足度は高いけど重要度が低い事業です。事業の内容は楽しいのですが、意義の見直しが必要な事業です。左下の事業は重要度と満足度ともに高くない事業です。事業の見直しもしくは中止が検討される事業となります。なおこの中では会員情報データベースが廃止となりました。

事業を重点化して磨く

満足度と重要度が高い事業は、そのYEGを代表しているといっても過言ではありません。重点化してより磨いていくことや新入会員の事業紹介パンフレットにはこれらの事業を必ず掲載することをおすすめします。

事業の情報を発信する

会員増加のために、もっとも効果のある掲載メディアは、地元の新聞の地域版です。

YEGのメンバーは創業の方も多くいますが、やはり2代目、3代目といった次世代の経営者の方も多くいらっしゃいます。そんな方々に入会していただくためには、経営者(多くはご両親のどちらか)に「しっかりとした活動をしている団体」としてを認知してもらう必要があります。

ではどうしたら認知してもらえるのか。それは新聞に活動が掲載されることです。地域の経営者の方が高い確率で目を通しているのは地元新聞の地域版なのです。

YEG活動は、地元新聞の地域版への掲載は支局に資料を持って取材依頼をすると、ほぼ掲載していただけます。一度試しにやってみてください。驚くほど効果があります。

そして掲載された情報を、地域の経営者の方が読み、YEG頑張っている団体だな。と認知してもらえます。実際この方法で多くのご両親にYEG活動への理解をいただいています。

最後に

関YEGの手法を多く紹介させていただきました。もちろん会員増加に向けて多くのYEGメンバーの皆様が創意と工夫、勇気と情熱をもって取り組まれています。ぜひ情報交換させてください。また今回の内容の詳細を講演として聞きたいというご希望はありましたら、関商工会議所青年部事務局(0575-22-2266、担当安田)までご連絡ください。

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